施術の途中で電話が鳴ると、先生はどうされていますか。
出れば目の前の患者さんを待たせてしまうし、出なければ予約を一件逃すかもしれない。どちらを選んでも、少しだけ気持ちが残りますよね。
そして夜、紙の予約表を見ながら明日の患者さんにリマインドの連絡を入れて、やっと一日が終わる。
はじめまして。整体院・治療院向けの予約システムでサポートを担当している井上です。院の初期設定を、これまで約20院お手伝いしてきました。
この記事は、「予約の受け方をそろそろ変えたい」と思い始めた先生に向けて、予約システムをどう選べばいいかをまとめたものです。どれにするか比べている先生も、「無料で済ませられないかな」と思っている先生も、「一人でやっているから大げさなものは要らない」という先生も、いま使っているものを替えたい先生も、読んでいただける形にしています。
本文では、特定のサービスの話はしません。先生方が実際に確認していく順番で「ここを見てください」をお伝えして、最後に、どんな院に私たちのサービスが向いているかを短く添えます。
予約システムを入れると変わること、変わらないこと
予約システムを入れると、まず施術中の電話が減ります。患者さんがご自身でLINEやWebから予約を入れるので、電話をかける理由がなくなるんです。
それから、前日のリマインドが自動で届くようになります。夜に先生が一人ずつ送る作業は、なくなります。
そして紙の予約表が要らなくなる。管理画面のカレンダーだけで、予約の確認も変更も済むようになります。
一方で、変わらないこともあります。新しい患者さんが増えるわけではありません。予約システムは「受け方」を変える道具で、集客の道具ではないからです。
ここを混ぜて考えてしまうと、入れたあとに「思っていたのと違う」となりやすいです。電話とリマインドと紙の予約表。この3つが楽になる道具だと思っていただくのが、いちばん実際に近いと思います。
予約システムが必要な院と、向いていない院の見分け方
正直なところ、入れなくていい院もあります。
患者さんの多くが年配で、LINEもネット予約もつかわない院。電話で全部うけるのが、患者さんにとって一番やさしい院。
こういう院に無理にシステムを入れても、結局は先生が電話でうけて、システムに打ち直すことになります。それなら紙のままのほうが早いですよね。
それと、レジ(会計)と一体で管理したい院です。
POS(レジ(会計)のシステム)とつなげて、予約から会計まで一つにしたいなら、最初から「レジと連携できるか」を軸に選ぶ必要があります。予約システムの多くは会計まではカバーしていないので、ここを後から気づくと、選び直しになります。
初期設定をお手伝いするなかで「いまの機能では足りない」となる例の代表が、実はこのレジ連携なんです。
逆に、こんな心当たりがあれば、入れる側の院だと思います。
施術中に電話に出られないことが週に何度もある。リマインドを手で送っていて、忘れる日がある。予約表の書き間違いや消し間違いが、月に一度は起きている。
どれか一つでも当たれば、そのまま読み進めてください。「まず電話を減らしたい」が一番なら、電話予約を減らす記事から読んでいただいても大丈夫です。
導入前に先生が確認しておきたい7つのポイント
導入の相談を受けていると、先生方が聞いてくる順番はだいたい決まっています。機能の一覧を上から読むより、この順番で確認するほうが、自分の院に合うかどうかが早くわかると思います。
それぞれ、無料の期間で試すときの確かめ方も添えておきますね。
1. リマインドはLINEで届くか。
最初に連絡をくださる先生が、ほぼ全員、いちばん先に聞かれる質問です。
メールだと患者さんが見ない。SMSだと文字数が足りない。LINEなら、ふだんの連絡と同じ場所に届く。
見るのは「LINEで届くか」だけでなく、届く時刻を院ごとに変えられるか、当日にも送れるか、までです。
確かめ方は簡単で、ご自身のLINEで試しに予約を入れて、前日にリマインドが届くかを見るだけです。LINEで受けると運用がどう変わるかは、LINE予約の記事にまとめています。無断キャンセルへの手当てはこちら。

※前日にLINEで届くリマインドの例。文面は院ごとに変えられます。
2. 回数券を管理できるか。
回数券の残りの回数を、システムの中で減らしていけるか。
毎月の購入で決まった回数が付与される回数券を、業界では「サブスク」と呼びます。サブスク(毎月の購入で、決まった回数ぶんが付与される回数券)まで扱えるかは、自費の院ほど大事になります。
私たちがサポートしている院では、約80%が回数券をつかっています(サービス開始からの累計100店舗のうち・2023年4月〜2026年9月・自社調べ。担当者の概算です)。つまり、回数券を管理できないシステムだと、多くの院で「別のノート」が残ってしまうんです。
確かめ方は、いま院で売っている回数券をそのまま登録してみて、一回つかったあとの残りが正しく減るかを見ること。回数券を含めた患者さんの情報のまとめ方は、顧客管理の記事に書きました。
3. カルテと同意書を扱えるか。
「紙のカルテをやめたい」という声は、電話を減らしたいという声と並んで、本当によく聞きます。
予約と一緒にカルテも同意書も持てるなら、患者さん一人の情報が一か所にまとまります。
いまの紙のカルテに書いている項目を、そのまま書けるか。書けない項目があるなら、それが我慢できるものかどうか。ここを見てください。紙をやめる順番は電子カルテの記事に。
4. 集客用の予約サイトと連携できるか。
予約サイトから入る新規の予約と、院に直接くる予約が別々の表にあると、同じ枠に二人入ることがあります。
これは私たちが実際に経験した失敗で、あとで詳しくお話しします。予約サイトをつかっている院は、連携できるかを契約の前に聞いてください。「できない」なら、手で書き写す仕事が残ると知ったうえで決めるのがいいと思います。
連携できる場合も、向きを確認してください。サイトで入った予約がシステムに入るだけなのか、システムで埋まった枠がサイト側でも閉まるのか。片方向だと、ダブルブッキングは半分しか防げません。予約サイトを併用している院の話は、二重管理の記事で詳しく。
5. スタッフの人数と料金の関係。
一人でやっている院なら、スタッフ管理やシフトの機能は要りません。人数が増えたときに料金がどう変わるかだけ、見ておけば十分です。
将来スタッフを入れる予定があるなら、そのときに乗り換えなくて済むかも見ておくと安心です。
6. 初期設定を誰がやるか。困ったとき誰に聞けるか。
メニューの登録、予約枠の設定、LINEとのつなぎ方。ここでつまずく先生が本当に多いです。
入れたあとに自分で全部やるのか、代行してもらえるのか。聞ける相手がいるか。ここは契約の前に確認してください。
私がお手伝いしてきた院でも、最初の設定さえ終われば、あとは先生がご自身でつかえるようになる院がほとんどでした。逆に言うと、最初の設定が一番の山なんですよね。
整骨院・接骨院と整体院・鍼灸院で、見るポイントはどう変わるか
業種によって、見るところが少し変わります。
整骨院・接骨院は保険の施術があるので、同意書などの書類の扱いが要ります。「予約」だけでなく「記録」まで一緒に持てるかを見てください。
整体院・鍼灸院は自費が中心なので、回数券と、また来てもらうための連絡(リマインドやお礼のメッセージ)が中心になりやすいです。
どちらの院でも、予約と記録を別のシステムに分けると、あとで突き合わせの仕事が残ります。予約のシステムに患者さんの名前を入れて、カルテのシステムにも同じ名前を入れる。最初は気にならなくても、患者さんが増えると重くなってきます。
できれば、一つのシステムで持てるものを選んでいただきたいです。
無料で始める方法と、手が回らなくなるタイミング
「まず無料で」と考える先生は多いですし、私もそれは自然だと思います。方法は3つあります。
LINE公式アカウントのトークで予約をうける方法。患者さんが「明日の15時は空いていますか」と送ってきて、先生が返事をする形です。
無料の予約フォームをホームページに置く方法。フォームから届いたメールを見て、先生が予約表に書きます。
そして、いまのまま紙で続ける方法。
どれも、患者さんが少ないうちは回ります。
手が回らなくなる合図は、はっきりしています。トークでうけた予約を予約表に書き写す回数が増えてきた。リマインドを送り忘れる日が出てきた。同じ枠に二人入ってしまった。この3つのどれかが起きたら、無料のやり方の限界だと思ってください。
もう一つ、見落としやすい合図があります。トークの返事が遅れて、患者さんから「まだですか」が届くこと。先生は施術中でスマホを見られない。患者さんは待っている。
この「返事待ち」の時間が、患者さん側から見た不便さなんです。先生の手間より先に、こちらが限界になることも多いです。
有料のシステムに移るときは、無料でつかえる期間があるものを選んで、その期間に上の7つを実際に試してください。カタログを読むより、そのほうが早いです。
施術者が一人の院で予約システムを選ぶときのポイント
導入の相談でいちばん多いのは、整体院で、施術者が一人か二人の院です。受付の人はいなくて、施術中は電話に出られない。そこが前提になります。
一人の院に要るものは、私の中でははっきりしています。患者さんがご自身で予約を入れられる入口(LINEかWeb)があること。リマインドが自動で届くこと。そして、間違えて消した予約を自分で戻せること。一人だと、間違いを見つけてくれる人がいないからです。
それと、患者さん側の手間です。アプリを入れてもらわないと予約できないシステムは、患者さんが離れます。LINEの友だち追加だけで予約できるか、LINEをつかわない患者さんはWebで完結できるか、予約の変更やキャンセルを患者さんがご自身でできるか。ここもぜひ見てください。
一人の院の一日を、少し想像してみてください。
朝、管理画面を開くと、前の晩に入った予約がカレンダーに並んでいます。診療時間の外にも予約はちらほら入ります。私たちの体感では、深夜だけはほとんど入りません。
昼、施術のあいだに電話は鳴らない。鳴っても、出なくていい電話が増える。
夜、リマインドは自動で送られているので、先生は明日の準備だけをする。紙の予約表は、机の上にありません。
「施術中に電話が鳴って席を外すことが減った」。そう言ってくださった院があります。

※朝、管理画面を開いたときのカレンダー。診療時間の外に入った予約も並びます。
実際の例を二つ、匿名でご紹介します。どちらも施術者が一人の整体院です。
一つは大阪の院で、ホームページとInstagramで集客がうまくいっている院。もう一つは福岡の院で、ホームページとGoogleマップで集客がうまくいっている院です。
二つとも、以前つかっていた予約サービスの機能に不満があって、乗り換えられました。集客はできている。予約の受け方だけが追いついていない。一人の院で起きやすいのは、この形だと感じています。
ほかの予約システムから乗り換える場合に確認しておきたいこと
いま何かをつかっていて、替えたい先生もいらっしゃいます。替える理由として私たちが聞くのは、「できないと言われた」「対応が遅かった」という声です。
乗り換えの前に確かめてほしいことが、三つあります。
一つは、いまのサービスで「できなかったこと」を紙に書き出すこと。乗り換えたあとに同じことでつまずかないように、その一覧を持って相談に行ってください。「できるか」を一つずつ聞いて、できないことをはっきり「できない」と答えてくれる相手かどうかも、そこで分かります。
一つは、患者さんへの案内です。新しいシステムに変えるとき、患者さんにお願いすることは「LINEの友だち追加」の一点に絞ってください。アプリを入れてもらう、会員登録をしてもらう、と手順が増えるほど、患者さんは離れていきます。
もう一つは、データの移し方です。患者さんの名前、連絡先、回数券の残り。これをどこまで移せるか、誰がやるか、何日かかるか。契約の前に、かならず聞いてください。回数券の残りは院側で入れ直しになることが多いので、「全部やってもらえる」と思い込まないほうが安全です。
先にご紹介した二つの院も、この移し方を確認したうえで乗り換えられました。
料金の考え方と、補助金について
料金で見るのは、月額よりも「やめやすさ」だと私は思っています。
初期費用があるか。解約金があるか。最低利用期間があるか。この三つが無いシステムなら、合わなければやめられるので、試すときの気持ちが軽くなりますよね。
月額は、スタッフの人数や、LINE予約・カルテ・回数券などの機能によってプランが分かれるのが一般的です。いちばん安いプランには、肝心の機能(たとえばLINE予約)が入っていないこともあるので、金額だけで選ばず「自分の院に要る機能が入っているプランはいくらか」で比べてください。
補助金についても、聞かれることがあります。IT導入補助金など、システムの導入につかえる制度はあります。
ただ、補助金の対象になるのは「対象ツール」として登録されているサービスだけです。つかいたいサービスが登録されているかを先に確認してください。制度そのものの金額や条件は年度で変わるので、公的な案内でご確認ください。
私たちがサポートしてきた院で、実際に起きたこと
ここからは、私たちの現場の話です。予約システムを選ぶときの参考になると思うので、うまくいかなかった話も含めてお伝えします。
私たちのサービスは、始めてから累計で100店舗に入りました(2026年8月時点・自社調べ)。
サービス開始から数えた導入40店舗のうち、90%以上がいまも続けてくださっています。期間は2023年4月のサービス開始から2026年9月まで、自社調べです。
この数字は管理画面で集計したものではなく、私たちが把握している範囲の数です。だから「以上」という書き方にしています。
うまくいかなかった話もあります。
サービスへの不満が理由の解約は、その40店舗のうち1件です(2023年4月から2026年9月まで・自社調べ)。集客用の予約サイトを併用していたサロンで、当時は予約サイトとの連携機能がありませんでした。
連携されないことは導入のときにお伝えしていたのですが、ダブルブッキングが起きて、不満のまま解約になりました。
このあと、予約サイトとの連携機能を作りました。7つのポイントに「予約サイトと連携できるか」と「連携の向き」を入れているのは、この経験があるからです。
実名で書ける院の言葉も、一つご紹介します。東京・池袋の「池袋西口駅前M式整体」の先生から、こんな言葉をいただいています。
「どんどん使いやすくなっていて満足している。要望が素早く反映されるのでストレスが少ない。」
この院は、新しく開業するタイミングで入れてくださって、「リピーターを増やしたい」というのが動機でした。いまはLINE予約とWeb予約と電話を併用されています。電話をゼロにするのではなく、電話でしか予約しない患者さんの分は残す。そういうつかい方です。開業のタイミングで入れる話は、開業の記事にまとめています。
「電話が減った」「無断キャンセルが減った」という声も聞きます。
これは集計した数字ではありません。私たちが導入後に直接お話を聞けた院は約10院で、その先生方はほぼ全員がそう言ってくださいました(2023年4月〜2026年9月・自社調べ)。聞けていない院のほうが多いので、「全部の院でそうなります」とは言えません。それでも、私たちにとっては大事な声です。
こんな院には、私たちのリピマルが向いています
ここまでお読みいただいた先生に、最後に私たちのサービスの話を少しだけ。
私たちが作っている「リピマル」は、整体院・治療院向けのLINE予約と顧客管理のシステムです。上の7つのポイントで言うと、こんな院に向いています。
●患者さんとのやりとりがLINEで、リマインドもLINEで届かせたい院。患者さんはLINEの友だち追加だけで予約でき、アプリは要りません。LINEをつかわない患者さんはWeb予約で完結します。変更やキャンセルも、患者さんがご自身でできます
●施術者が一人か二人で、受付がいない院。カレンダーの「戻す」機能があります
●回数券やサブスク型の回数券を売っていて、残りの回数をシステムで持ちたい院。カルテと同意書も一緒に持てます
●集客用の予約サイトを併用している院。サイトで入った予約はカレンダーに入り、リピマルで埋まった枠はサイト側でも閉まります




逆に、レジ(POS)と連携させたい院、すでにレジと連携しているシステムから乗り換えたい院には向いていません。POSとの連携がないからです。リラクゼーションサロンやエステのオーナーさんは、サロン向けの記事のほうが状況に近いと思います。
料金は、初期費用0円、解約金0円、最低利用期間なし。無料でつかえる期間は月払いなら14日間、年払いなら30日間です。
月額は通常価格で、ミニマムプランが月2,980円、ベーシックプランが月9,800円、ビジネスプランが月19,800円。ミニマムにはLINE予約がないので、LINEでうけたい院はベーシック以上になります。
初期設定は、先生にはメニューやクーポンの内容を出していただいて、登録はこちらでやります。目安は約5営業日です。ほかのサービスからの移行もできますが、回数券の残りの回数は院に入れていただくことがあります。
補助金については、IT導入補助金や小規模事業者持続化補助金の「対象ツール」には登録していません。補助金をつかって入れたい先生には、ここは先にお伝えしておきます。
詳しくはリピマルのサービスページをご覧ください。合わなければ、無料の期間のうちにやめていただいて大丈夫です。
まずは今日、これだけ試してみてください
一つだけ、やってみていただきたいことがあります。
紙を一枚、受付の机に置いてください。そこに、施術中に鳴った電話の回数と、出られなかった電話の回数を、「正」の字で1週間つけてみてください。
出られなかった回数が週に何回もあるなら、その分の予約をのがしている可能性があります。その数が、「予約システムが要るかどうか」の答えになると思います。
数えた結果を持って、気になるシステムの無料の期間で、上の7つを試してみてください。合わなければ、そこでやめていい。
そのときは、私たちにも「合わなかった理由」を教えていただけると助かります。次の先生のために、この記事に書き足していきます。
この記事で使ったデータ
●回数券(サブスク型を含む)を使っている院の割合(約80%) 80%(サービス開始からの累計導入100店舗のうち(担当者の概算。管理画面での集計ではない)・2023-04(サービス開始)〜 2026-09・n=100・自社調べ)
●導入事例: 整体院(大阪府大阪市・匿名)
●導入事例: 整体院(福岡県・匿名)
●導入事例: 池袋西口駅前M式整体(2026年前半 導入)
●継続率(90%以上) 90%(サービス開始からの導入40店舗のうち、継続している割合・2023-04(サービス開始)〜 2026-09・n=40・自社調べ)
●サービスへの不満が理由の解約 1件(サービス開始からの導入40店舗のうち。予約サイト連携が実装される前のエステサロン1件・2023-04(サービス開始)〜 2026-09・n=40・自社調べ)
●累計導入店舗数 100店舗(サービス開始からの累計(現在の利用店舗数ではない)・2026-08時点・n=100・自社調べ)
●導入事例: エステサロン(匿名)(2026年前半 導入)
●「電話が減った」「無断キャンセルが減った」と直接聞いた院の数(約10院。ほぼ全員がそう答えた) 10院(代表・担当者が導入後に直接話を聞いた院(概算)。基本的に全員が「減った」と答えた・2023-04(サービス開始)〜 2026-09・n=10・自社調べ)
予約や顧客管理の仕組みを見直したい先生へ。リピマルの詳しい説明はトップページにあります。